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コークの味は国ごとに違うべきか-ゲマワット教授の経営教室

2011年01月24日
コークの味は国ごとに違うべきかコークの味は国ごとに違うべきか
(2009/04/23)
パンカジ・ゲマワット

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評価:★★★★☆

著者情報:パンカジ・ゲマワット

ハーバード・ビジネススクール教授、IESEビジネススクールのグローバル戦略の教授。
ハーバード・カレッジの応用数学でABを取得、ハーバード大学のビジネス経済学で博士号を取得した。
その後マッキンゼーでコンサルタント業務に携わった後、1983年にハーバード・ビジネススクールの一員となり、91年には同ビジネススクールで史上最年少の教授となった。
2006年、IESEに加わり、07年にはアカデミー・オブ・インターナショナル・ビジネスのフェローに選出された。


「世界はフラット化しつつある」

こういった主張が一世を風靡している。

IT技術、インターネット、交通手段等の発達により、これまで存在していた地理的な距離は意味を持たなくなり、「距離の死」 という言葉も囁かれるようになった。
国ごとの文化、政治、制度、経済、貨幣は均一化され、世界は一つの大きな国家へと生まれ変わる。
世界中の人間の 「嗜好は収束」 し、同一の商品を同一の文化のもとに欲する時代がくる。
大前研一氏は、これまでの国境が意味を持たなくなるという 「ボーダーレス経済」 を唱える。
そして世界中の企業は、そういった 「グローバル化」 津波論に押され、新たな市場を求めてグローバル化を急ぐ。

果たして、本当にそうなのか。

そういった主張はストーリー性に富んでおり、一見論理的に見えるが実は感情論に支配されているのではないか。
データの分析に基づいた、冷静な分析なのか。

「世界はフラット化していない」

それが本書の著者 パンカジ・ゲマワット教授の主張である。
インターネットの発達は、本当に世界を均一化し、距離の死を招くのであろうか。
ここで簡単な例を考えてみたい。

「インターネットによって、我々は世界中の情報に簡単にアクセスできるようになり、よって、これまでの 『距離』 という概念は意味を持たなくなる」

こういった主張はよく耳にされることが多いかと思う。
では、ここで一つ質問である。

「あなたは、今まで、コンゴ共和国のHPにアクセスしたことがありますか?」

もちろん、こういった例などいくらでも挙げることができ、それによってグローバリゼーション津波論を否定することなど簡単なことである。
しかしゲマワット氏が言いたいのはそういうことではない。

筆者いわく。

現実の世界は、完全な現地化とも統合とも違う、セミ・グローバリゼーションであると信じている。
(中略)
たとえ、最終的には世界の統合がもっと進むと信じていても、躓いたり回り道したりすることだってあると考える。


つまり、長期的なトレンドの視点でグローバリゼーションという波を捉えれば、その波が次第に大きくなり、いずれは世界を飲み込む方向に向かっていく可能性は高い。
しかし、だからといって今すぐにその津波が襲ってくると考え、均一的なグローバル戦略を採ろうとするのは、いささか飛躍しすぎではないかということである。

本書は、現在のグローバリゼーションの現状を分析するツールと、その分析に基づいて今後どういったグローバル戦略を採っていけばいいのかを考える枠組みを、本書において示している。

以下は本書の目次である。


●第1部 フラット化しない世界

 第1章 コークの味は国ごとに違うべきか

 第2章 ウォルマートは外国であまり儲けていない

 第3章 ハーゲンダッツはヨーロッパの会社ではない

●第2部 国ごとの違いを成功につなぐ

 第4章 インドのマクドナルドには羊バーガーがある

 第5章 トヨタの生産ネットワークはここがすごい

 第6章 だからレゴは後発メーカーの追随を許した

 第7章 IBMはなぜ新興国の社員を3倍にしたか

 第8章 世界で成功するための5つのステップ


第一部では、現在の世界が 「セミ・グローバリゼーション」 の状態であるという証拠をデータに基づいて示したうえで、国境がいまだ重要である理由を明らかにし、そうした理由を国ごとの文化的 (Culutural)、制度的 (Administrative)、地理的 (Geographic)、経済的 (Economic) の4種類の隔たりに分類するという 『CAGE分析』 が紹介されている。

第2部では、国ごとに存在するさまざまな差異の中で付加価値を生み出す戦略に焦点を当て、差異への対応として3つのA、つまり適応 (Adaptation)、集約 (Aggregation)、裁定 (Arbitrage) から成る 『AAA戦略』 が紹介されている。

世の中には、分かりやすいストーリーに乗せられて、多くの情報が 「作られ」 ている。
本当はそこに明確な根拠はないのに、「それらしい」 「しっくりくる」 といった感情的な理由によって、状況を正確に捉えられていないことがあまりにも多いのではないか。
評論家の 「もっともらしい狂言」 に踊らされ、データを検証することを怠り、安易な結論を求める。
そうなってしまってはまさにマスコミの思う壺なのであるが、我々 (特に日本人) はマスコミや権威に弱い。(これはデータに基づいていないが)

本書はデータに基づいた冷静な分析によって、グローバル戦略を再定義 “Redefining Global Strategy:Crossing Borders in a World Where Differences Still Matter” する、実務的で現実的な 「使える」 一冊である。



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FREE - <無料>からお金を生み出す新戦略

2010年04月24日
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
(2009/11/21)
クリス・アンダーソン

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評価:★★★★★

著者紹介:クリス・アンダーソン

『ワイアード』誌編集長。
「ロングテール」という言葉を2004年にはじめて世に知らしめ、2006年に刊行した同名の著書 『ロングテール-「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』 (早川書房)  は世界的ベストセラーとなる。
2007年には米 『タイム』 誌の 「世界で最も影響力のある100人」 に選ばれている。
ジョージ・ワシントン大学で物理学の学位を取得、量子力学と科学ジャーナリズムをカリフォルニア大学バークレー校で学ぶ。
ロス・アラモス研究所の調査員を務めたあと、世界的科学雑誌である 『ネイチャー』 誌と 『サイエンス』 誌に6年間勤務。
その後、英 『エコノミスト』 誌の編集者としてロンドン、香港、ニューヨークで7年間テクノロジーからビジネスまで幅広い記事を扱い、また1994年には同誌のインターネット版を立ち上げる。
2001年から現職。
以来同誌を全米雑誌賞のノミネートに9度導き、2005年、07年、09年に最優秀賞(General Exellence)を獲得している。
現在カリフォルニア州バークレーに妻と5人の子供と暮らす。
著者ブログ (www.thelongtail.com)


以下は、アマゾンの紹介文である。

「世界的ベストセラー『ロングテール』の著者が描く21世紀の経済モデル」
「“フリーミアム” という新しいビジネスモデルを提唱し、ビット世界の無料経済に正面から取り組んだニューヨーク・タイムズ・ベストセラー」

なぜ、一番人気のあるコンテンツを有料にしてはいけないのか?
なぜ、ビット経済では95パーセントをタダにしてもビジネスが可能なのか?

あなたがどの業界にいようとも、〈無料〉との競争が待っている。
それは可能性の問題ではなく、時間の問題だ。
そのときあなたは、創造的にも破壊的にもなり得る
このフリーという過激な価格を味方につけることができるだろうか?


続いて、目次である。

●フリーの誕生

●フリー入門 - 非常に誤解されている言葉の早わかり講座

●フリーの歴史 - ゼロ、ランチ、資本主義の敵

●フリーの心理学 - 気分はいいけど、よすぎない

●安すぎて気にならない - ウェブの教訓=毎年価格が半分になるものは、必ず無料になる

●「情報はフリーになりたがる」 - デジタル時代を定義づけた言葉の歴史

●フリーと競争する - その方法を学ぶのにマイクロソフトは数十年かかったのに、ヤフーは数ヶ月で済んだ

●非収益化 - グーグルと21世紀型経済モデルの誕生

●新しいメディアのビジネスモデル - 無料メディア事態は新しくない。そのモデルがオンライン上のあらゆるものへと拡大していることが新しいのだ

●無料経済はどのくらいの規模なのか? - 小さなものではない

●ゼロの経済学 - 1世紀前に一蹴された理論がデジタル経済の法則になったわけ

●非貨幣経済 - 金銭が支配しない場所では、何が支配するのか

●(ときには)ムダもいい - 潤沢さの持つ可能性をとことんまで追求するためには、コントロールしないことだ

●フリー・ワールド - 中国とブラジルは、フリーの最先端を進んでいる。そこから何が学べるだろうか

●潤沢さを想像する - SFや宗教から “ポスト稀少” 経済を考える

●「お金を払わなければ価値のあるものは手に入らない」 - その他、フリーに対する概念あれこれ


“FreeEconomics” = 「無料の経済学」 という新しい経済分野が登場した。

ここでいう 「無料」 とは 「2つ購入すれば、2つ目はタダ」 といった、マーケティングの一つの方法としての 「無料」 ではない。
これは実質的には、商品1つ当たりの価格を半額にしているだけであって、実際に無料になっているわけではなく、消費者の目を欺くものでしかない。

しかし、新しく登場した 「無料 (FREE) 経済」 においては、本当に無料のものが存在している。
ここでいう 「もの」 とは、伝統的な経済学でいうところの 「モノ」 = 「アトム」 ではなく、「情報」 = 「ビット」 である。

クリス・アンダーソンによると、「FREE=無料」 には、以下の10個のルールがある。

1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる

2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない

3.フリーは止まらない

4.フリーからもお金儲けはできる

5.市場を再評価する

6.ゼロにする

7.遅かれ早かれフリーと競いあうことになる

8.ムダを受け入れよう

9.フリーは別のものの価値を高める

10.稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう


20世紀の経済は、いくら 「モノ」 からサービスへのシフトが進もうとも、その主役は 「モノ」 であった。

しかし中国やインド、アフリカ諸国などの台頭により、労働コストは彼らの低水準に収斂し、これまでの稀少品はコモディティへと変わり、その稀少性を失う。
そういう時代において次に経済の主役を担うのは 「ビット」 から成る、無形の 「情報」 である。

つまり経済は、20世紀型の 「アトム経済」 から21世紀型の 「ビット経済」 へと移行していくのだ。

ビット経済の基本は、先ほど述べた 「無料」 である。
潤沢に存在し、それ単体では無価値の情報をどう利用し、どう捉えるか、それによって利益が生まれる。

無料と利益は背反の事象として捉えられることが多いが、ビット経済においてはその限りではなく、両者は両立し得る。
つまり、無料にすることにより生じた魅力に人が集まり、その集団が評判やコミュニティ、ネットワーク性などといった新たな価値を持ち、そして利益を生み出すのである。
それはGOOGLEやフェースブック、ミクシー、メイプルストーリー、ウィキペディア等々を見れば明らかである。
(これらの全てのサービスは基本的には無料で利用でき、しかも多くの価値を社会または彼らに与えている。もっとも、GOOGLEほどの利益を生み出している企業は今のところ存在しないが・・・)

もちろん従来のような 「アトム経済」 におけるビジネスモデルが通用し、利益を上げることもある。
(いや、実際は旧来のビジネスモデルがしばらくは社会の利益の大部分を占めるであろう)
しかし重要なのは、今の世界にはこれまでの伝統的な経済学では説明しえない未知のモデル 「無料 (フリー) 経済」 が存在していることであり、多かれ少なかれ、我々はこの新しい環境に身を置くことになるということである。

最後に、本書の著者クリス・アンダーソンの言葉を借りて、この文章を締めくくりたいと思う。

この 「FREE=無料」 というテーマは本にするのに申し分ないと私は思った。
「まちがっている」 と 「自明のことだ」 というふたつの意見に分かれる話題は、どんなものであれ、いいテーマに違いない。
この本を読んだ皆さんが、最初はどちらの意見を持っているにせよ、読み終わったときには、どちらにも与していないことを私は願っている。
フリーは新しいことではないが、変わり続けている。
そして、その変化は、人間の行動や経済的インセンティブに関する基本的な理解を見直すよう私たちに迫っているのだ。




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超説 ニーチェの言葉

2010年04月20日
超訳 ニーチェの言葉超訳 ニーチェの言葉
(2010/01/12)
白取 春彦

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評価:★★★★☆

著者情報:フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzche)

ドイツの哲学者。
1844年にプロイセン王国領ザクセンに牧師の子として生まれた。
ボン、ライプツィヒ両大学に学び、ワーグナーとショーペンハウアーに傾倒した。
24歳でスイス・バーセル大学の古典文献学の教授となる。
1872年に処女作『悲劇の誕生』を発表。
1879年に大学を辞し、十年にも及ぶ漂泊の中で執筆活動を続けるが、1889年に精神が崩壊、1900年にワイマールに没した。
ヨーロッパ思想への痛烈な批判、永劫回帰、力への意志など、その鋭く独自の思想によりハイデッガーをはじめとする二十世紀の哲学思想に影響を与えた。
代表作に『ツァラトゥストラはかく語りき』(1883~1885)、『善悪の彼岸』(1886)、『人間的な、あまりに人間的な』(1878)、『ショーペンハウアー』(1874)などがある。



本書はドイツの哲学者、ニーチェの著作を、その哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある白取氏が翻訳し、一般の読者にも分かりやすいように断章的に綴っている本である。
私は今までニーチェという偉大なドイツの哲学者の哲学に触れたことはなく、「彼の思想はヒトラーやナチズムの思想に影響を与えたのではないか」といった程度の無責任な認識しかもっていなかった。

しかしそのような認識が単なる妄想であるということに、本書に綴られているニーチェの格言を読むことで否が応でも気付かされた。
彼の思想は、鋭い洞察力に裏付けられた大胆な発想と、現実の世界における心理・善・道徳を重視している。
そういった理由からも、彼の哲学は「生の哲学」と呼ばれている。

以下では、ニーチェの哲学や思想を端的に表している彼の言葉を掲載する。
彼の独自の世界観、そして現実の世界をよりよく生きる為の「生の哲学」を感じとっていただきたい。
当書評においては全ての格言を書き記すことができなかったが、本書には232もの格言が綴られている。

【己について】
●初めの一歩は自分への尊敬から
●一日の終わりに反省しない
●自分を表す3つの形
●自分の「なぜ」を知れば道は開ける
●自分の行為は世界に響いている
●信頼が欲しければ行動で示せ
●解釈のジレンマ
●恐怖心は自分の中から生まれる
●無限の豊かさは自分にある

【喜について】
●仕事はよいことだ
●精神が高まるほど繊細なものを食べる

【生について】
●始めるから始まる
●人生を最高に旅せよ
●生に強く向かうものを選べ
●高まるために捨てる
●職業がくれる一つの恵み
●いつかは死ぬのだから
●人間であることの宿命

【心について】
●心に光があるから希望の光がわかる
●平等の欲望
●調書の影に隠されているもの
●永遠の敵
●虚栄心の狡猾さ
●魂が贅沢の水を好む
●飽きるのは自分の成長が止まっているから
●活発だからこそ退屈を感じる
●精神の自由をつかむためには

【友について】
●四つの徳を持て
●必要な鈍さ

【世について】
●世間を超えて生きる
●つまらないことに苦しまない
●二種類の支配
●批判という風を入れよ
●攻撃する者の内的理由
●狐よりもずるいのは
●ニセ教師の教えること
●だまされた人の悲しみ

【人について】
●人間の自然性を侮蔑しない
●人間の二タイプ
●真に創造的な人物とは
●勝つなら圧倒的に勝て
●勝手に行為の大小を決めない
●夢に責任を取る勇気を
●小心者は危ない
●怠惰から生まれる信念
●待たせるのは不道徳
●危険に見えることには挑みやすい

【愛について】
●愛は雨のように降る
●真実の愛に満ちた行為は認識されない
●最大のうぬぼれ

【知について】
●勉強はよく生きることの土台となる
●真理の論拠
●本を読んでも
●読むべき書物
●真の教育者は解放する
●最短の道は現実が教えてくれる
●自分の哲学を持つな
●考えは言葉の質と量で決まる
●原因と結果の間にあるもの
●合理性で判断しない
●現実と本質の両方を見る
●よく考えるために

【美について】
●感覚を愛しなさい
●良いことへの道
●自分しか証人のいない試練


上記のような格言に対して、それを補足説明するという形で本書は構成されている。
格言部分だけを見てもニーチェの思想は捉えにくいと思われるので、興味がおありの方は本書を手に取り、ご一読なさってみてはいかがだろうか。





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ロジカル面接術

2010年02月09日
ロジカル面接術 2011年基本編ロジカル面接術 2011年基本編
(2009/10)
津田 久資下川 美奈

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評価:★★★★★

著者情報:津田 久資(つだ ひさし)

1958年生まれ。
東京大学法学部および、カリフォルニア大学バークレー校経営大学院(MBA)卒。
博報堂、ボストン・コンサルティング・グループ、チューリッヒ保険で一貫して、新商品開発、ブランディングを含むマーケティング戦略の立案、実行にあたる。
現在、株式会社ジュライ代表として、各社のコンサルティング業務に従事。
また、マネジメントスクールや多数の企業内研修会において、ビジネスパーソンの論理的思考、戦略的思考の啓蒙にあたっている。
MIT(マサチューセッツ工科大学)EMOT日本プログラムにおいて戦略マネジメント講座を受け持つ。
著書に、本書姉妹本『こうして僕らは全員内定』(共著・ワック出版)、『超MBA式 ロジカル問題解決』(PHP研究所)、『ビジネスマンのための「知的ミーハー思考」のすすめ』(PHP研究所、ペンネーム文月敏雄を使用)。
その他、雑誌「THE21」「東洋経済」等に寄稿多数。

下川 美奈(しもかわ みな)

1972念生まれ。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、日本テレビ入社。
報道局で警視庁クラブ、国税庁クラブ、社会部遊軍、警視庁クラブ、『ニュースプラス1』ディレクターなどを経て、女性初の警視庁クラブキャップに。
2009年1月より、社会部デスク兼コメンテーター。
オウム真理教の上祐史浩幹部出所のときは、飛行機内で信者に指示を下しながら防弾チョッキを着用する上祐幹部の姿を撮影し、スクープリポートするなど、一連のオウム事件や殺人・脱税・公安事件の取材で活発な活動をしている。


企業が面接で聞きたいことはただ1つ、「あなたは会社に貢献できるのか」!


そしてそれに対する返答として、

私は御社に貢献できます。


と面接官を納得させることができたならば、内定を頂くことができる。

本書はこの面接官と学生との間の応答の裏に潜むロジック構造を整理し、面接官を納得させる為の方策を提供するものである。

「ロジカル」とはそもそもどういう意味なのであろうか。
筆者いわく、

論理的である(ロジカル)とは結論と複数の根拠が、結論を頂点に、縦方向にWhy So?(なぜ、そういえるのか?)・So What?(だから、こういえる)の関係で階層をなしている(ピラミッド構造を持つ)ことである。


ロジカルであるということを面接という場において考えると、全ての主張には根拠があり(Why So?)、全ての根拠はピラミッド構造の頂点に位置する「私は御社に貢献できます」へと最終的につながっている(So What?)のである。

本書の主張であるこの「ロジカル面接」はもちろんピラミッド構造で表すことができる。
以下では、本書の「ロジカル面接」のピラミッド構造を言語化してみる。


最上階(4階)部分「私は御社に貢献できます」

3階部分左層「私には能力があります」
3階部分右層「私には御社に合っています」

2階部分左層「問題解決力」「行動力」「コミュニケーション力」
2階部分右層「私のやりたいことに合っています」&「御社のカルチャーに合っています」

1階部分左層「エピソード」&「面接官のとやり取り」
1階部分右層「会社取材 × 自分取材」


本書は非常に優れた本であると思われる。
これまでのマニュアル本としての就活本とは一線を画し、面接の本質に迫ることに成功している。
マニュアルとは、ピラミッド構造でいえば1階部分なのである。
そしてそのマニュアルをSo What?(だから、こういえる)する作業を続けることによって、「私は御社に貢献できます」という最上階部分へとたどり着くことができるのである。

つまりマニュアル本は1階部分に拘泥するあまり、ピラミッド構造の全体像を読者に提示することに失敗しているが、本書はそれをいとも簡単に成功させている。
周りの就活生より一つ上の視点を獲得したいという方には、本書を一読なさることを強く推薦する。




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英会話ペラペラビジネス100

2010年02月01日
英会話ペラペラビジネス100 - ビジネスコミュニケーションを成功させる知的な大人の会話術 [CD2枚付]英会話ペラペラビジネス100 - ビジネスコミュニケーションを成功させる知的な大人の会話術 [CD2枚付]
(2002/03/16)
スティーブ ソレイシィSteve Soresi

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評価:★★★★☆

著者情報:スティーブ・ソレイシィ

フロリダ出身。
アメリカン大学政治・国際学部卒業、早稲田大学大学院政治研究科修了。
テレビ、ラジオ、雑誌などで幅広く活動。
NHK『はじめよう英会話』前講師。
「英会話は勉強でなく練習」をモットーに、多数の英会話教材を執筆・監修、どれも「本当に役に立つ」と大好評を博している。
主な著書に『英会話なるほどフレーズ100』『英語発音エクササイズ』(アルク)

ロビン・ソレイシィ

バージニア州出身。
パンアメリカン大学卒業後、米国議員のスタッフを務める。
1972年フロリダに移住後、老人福祉関連のセミナーで講師として活動する。
在日中は、子供から大人まで幅広い層に英会話を教授。
趣味は料理、ガーデニング、読書。



まずは私が本書を手に取ることになった経緯について書かせていただきたい。

私はこれからのグローバル世界においてビジネスをやっていくためには、そのコミュニケーション手段である英語が必須条件になってくるだろうと思い、昨年の夏からTOEIC試験の勉強を始めた。
3カ月の独学が実を結び、試験では920点を獲得することができた。

私の目的は達成されたかのように思われた。
なぜならば、TOEIC920点といえば、世間では帰国子女並の英語力とコミュニケーション能力を持っていてしかるべきだと考えられているからである。

しかし問題はそんなに単純ではなかった。
私はTOEICのリスニングやリーディングはほぼ完璧にこなせたが、実際に英語圏の人と話したり、彼らの話を聞いたりすることに関しては、素人同然であることに気付いたのである。

その理由はなぜか。
それは、そういった教育を成されてきていないからである。

私たちがこれまで中学校、高校、大学で施されてきた英語の勉強というのはまさに机上の理論であったのである。
本書の筆者、スティーブ・ソレイシィはこう言っている。

「英会話は、勉強ではなく練習である。」


まさにその通りであると思う。

英語圏の人びとは皆小さいころから英語に慣れ親しみ、分からないながらも周囲の大人たちの会話表現をマネて、復唱し、修正し、再び実践する。
そういった学習と実践、そして修正のサイクルをグルグル回し続けることによって彼らは英語を母国語として操れるようになっているのだ。

つまりこう言うことができる。
私たちがこれまで受けてきた教育、やってきた学習はまさにインプット作業である。
そしていま私たちに求められているのは、アウトプット作業である。

そのことを痛感した私が、多くのブックレビューを見たうえで手に取ったのが本書である。

本書は以下に示すように、英会話のフレーズを4段階に分けることによってシチュエーション別によく使う表現を学ぶことができる。

First Contact―初対面の人との成熟した大人としての接し方

Light Contact―たまに会うような人といいrelationshipを築いていくために

Regular Contact―いつも会うような人と互いにrespectしあうために

Heavy Contact―ごく頻繁に接する人と信頼しあえるコミュニケーションをとっていくために


本書が主張する英会話の極意は、小難しい言葉や長い言葉を使わずに、ごく基本的な表現を使いこなして流暢に話す、ということである。

これは非常に重要なことである。

学校で習った小難しい表現や文法事項のことを考えて、相手を待たせ、結局時間ばかり経過してわずかの情報しか伝えられない。
そういった悲惨な状況を避けるためにも、まずは最も汎用性のある基本表現を多く学び、それらを様々なシチュエーションで実践してみることで、それらの表現を自分のものにする。

本書はそういったニーズにピッタリの一冊である。
付属のCDを使うことでリスニング能力やスピーキングの練習を繰り返すこともできるようになっている。
これから社会に出ようとしている大学生、既に社会に出ていて英語でのコミュニケーションに不安を抱えていらっしゃる社会人の方、英「語」ではなく英「会話」で悩んでいる方にオススメの一冊である。





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